会社が倒産する前兆について
わたくしは、会社の倒産を2回経験しています。
しかも連続しての倒産でした。
運が悪いのか、会社選びが下手なのかいまだに分かりませんが、2回も会社倒産を経験すると、会社というモノは未来永劫変わらず続くものではなく必ずいつかは無くなるモノなのだと言うことが分かりました。
以下に私が経験した会社倒産から、会社が潰れる前にはどのようなことが内部で起こるのかを再現してみましたので、参考にして下さい。
1.流通業、社員数150名、負債総額約500億円
1回目の倒産の場合、本業は順調に売り上げを伸ばしていましたし利益も出していました。その会社では毎日現金(売り上げ金)が入る仕組みになっていました。
その振り込まれてくる売上金を使って会社の社長が本業以外の事に投資をするようになりました。
折りしもバブル絶頂期。他の会社が失敗したように、不動産や株、純金などに本業の資金を回しすようになり、絵に書いたような失敗が待っていました。
あっと言う間に本業の資金繰りがショートしてしまい、それから先は、ただただ倒産の道を転げ落ちていくだけでした。
今思うと、社長が本業の資金を他に回し始めたであろう頃、会社に不審な電話が入るようになり、アングラ雑誌に会社の手形に関する記事が掲載されるなど、少し危ない前兆がありました。
でもまだ本業の売り上げも伸びていましたし、まさか自分の会社が倒産するとは想像もしていませんでした。
しかし、それから2年後あたりから少しおかしな方向に会社が向かい始めました。
本来利益幅の薄い商売だったのですが、なぜか分不相応な本社ビルを新築したり、派手なパフォーマンス(芸能人や財界人を招いたり)をしたりと、お金の使い方が以前に比べ雑になっていきました。
全ては融資先の銀行に対する担保としての建設やパフォーマンスとしていかにも景気が良いふりをするために行っていたことが後から分かりました。
すでにその時点で資金繰りはかなり厳しかったようです。
そしてそれから半年もしないうちに、取引先への支払い遅延や社員の給与の遅配が始まり、役員が大量に退職したりと誰の目にもおかしいのは明らかになりました。
しかし経営者や一部財務担当者以外は、その時点でも、まさかウチの会社が潰れるとは思いませんでした。(中には早々と会社を去る人もいましたが)
さすがに、給与の遅配が2ヶ月続くと誰もが会社が危ないと気づきました。
その頃になると、社長はほとんど会社には居らず、資金繰りと言っては外出して不在になりがちでした。
半分以上社員は辞めていってしまいました。残った社員は給与も貰えず、モチベーションは下がる一方でした。
取引先も商品の納入をストップしてしまい、もうほとんど会社として機能してませんでした。
最後は自然消滅みたいに一人去り二人去りと一緒に働いていた人たちが居なくなり会社としての歴史に幕を下ろしました。
遅配した給料は整理会社が引き継ぎ3ヶ月くらいかけて支払いを完了しました。
2.建設業、社員数60名、負債総額20億円
2回目の会社は、いわゆる護送船団方式の業界の中で経営をしていましたので、業界自体が構造不況に陥り、価格破壊の波も押し寄せそのことに対応できず、資金繰りの悪化と生産量の激減によりあっという間に沈んでしまいました。
このときは、ある程度会社内部の動きが分かる立場に居ましたので、倒産の前兆と言うより倒産するであろうということが事前に分かりました。
やはり資金繰りが苦しくなると、固定費の中で一番比率の高い人件費を削りにかかりました、毎月のように給与カットをしたり、社員を解雇したりと、しかしそのリストラは単に人件費の高い人間を削減するやり方だった為、ベテラン不在による技術力の低下や、次は自分なのではないかと言った不安などから社員の仕事に対する意欲をそいでしまう結果となり、人・モノ・金の全てに大打撃を受けることとなりました。
結局、業界全体に及んでいる構造的な不振に何ら効果的な解決策を見出すことが出来ず、無為無策のままいつかは景気が良くなるだろうと楽観的な考えで、ただその日を耐え忍ぶという経営が続いたため、これ以上の会社存続は無意味との考えから傷口が浅いうちにと、社長自らが会社倒産の道を選び社員もその時点で解雇されました。
給与の遅配などは、役員だけでした。
3.会社倒産の前兆
①資金繰りが苦しくなる。
取引先への支払いサイトが延びる、残業代、賞与のカット、福利厚生に関する費用削減、資産の売却などの減少が起きる。
②経営陣が退職し始める。
また社長が不在勝ちになる。
③社内の雰囲気が悪くなる。
書類が乱雑になり在庫管理が適当になる。
など危険な前兆が見られたら、どこで見切るかを考えたほうが良いです。
また、自分の能力、対外的な価値を高めましょう。
倒産しても、会社は何もしてくれませんから!
いざ会社が倒産したときに何をすべきか!に続きます。
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