まずは会社を辞めてから、ゆっくり転職先を探そうと考えている方もいるでしょう。
もちろん、退職後に転職活動を始めるという選択肢もあります。
しかし、退職すると毎月の給与がなくなるため、転職活動が長期化した場合には生活費などの負担が大きくなる可能性があります。
そのため、現在の仕事を続けながら転職活動ができる状況であれば、まずは求人情報を確認したり、自分の経験・スキルを整理したりするところから始めるのも一つの方法です。
はじめに、今の会社をを退職する決断をする前に、
- なぜ転職したいのか
- 次の仕事に何を求めるのか
- 自分の経験を活かせる仕事は何か
- 希望する年収はいくらか
- どこまで条件を譲れるか
- 転職活動中の生活費を確保できるか
などを整理しておきましょう。
退職前にやっておきたい転職準備

1.転職する理由を整理する
最初に「なぜ会社を辞めたいのか」を明確にします。
給与、人間関係、仕事内容、会社の将来性、働き方など、転職を考える理由は人によって異なります。
しかし、ここが曖昧なまま転職すると、新しい職場でも同じ不満を抱える可能性があります。
「会社で解決できない問題なのか」
「転職によって何を実現したいのか」
までも考えてみましょう。
2.これまでのキャリアを棚卸しする
50代・60代の転職では、これまでの経験をどのように次の会社で活かせるかを伝えることが重要です。
これまで担当した仕事の内容を振り返り、
- 経験した職種・業務
- 専門知識
- 保有資格
- マネジメント経験
- 顧客対応・営業経験
- 改善した業務
- 具体的な成果
- 後輩や部下を育成した経験
などを書き出してみると分かりやすいでしょう。
単に「○○業界で30年間勤務」とするのではなく、その経験によって何ができるのかまで整理することがポイントです。
3.転職先に求める条件を決める
転職先を探す前に、希望条件を整理します。
特に確認しておきたいのが、
- 年収
- 勤務地
- 勤務時間
- 休日
- 職種
- 仕事内容
- 雇用形態
- 定年・継続雇用
- 福利厚生
などです。
すべての条件を満たす求人だけに限定すると選択肢が狭くなる可能性があります。
しかし、「絶対に譲れない条件」と「できれば希望したい条件」に分けておくと、求人を比較しやすくなります。
転職先が決まってから退職した方がいい?
これは現在の収入や貯蓄、心身の状況などによって判断が変わるため、一律に「どちらが正解」とはいえません。
ただし、在職中に転職活動を進めれば、給与収入を確保しながら求人を比較できます。
一方、退職後は転職活動に時間を使いやすくなる反面、次の就職先が決まるまで収入が途切れる可能性があります。
50代・60代では、転職活動期間だけではなく、その後の生活設計も考えて判断することが大切です。
しかし、退職を先に選ぶ場合は、生活費や社会保険料なども含め、一定期間仕事が決まらなくても生活できるか確認しておきましょう。
会社へ退職を伝える前に確認すること
転職先や退職時期の目安が決まったら、はじめに現在の勤務先の就業規則を確認しましょう。
特に、
- 退職の申出期限
- 退職手続き
- 必要書類
- 有給休暇
- 引き継ぎ方法
- 貸与品の返却
などを確認しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。
転職先への入社日を決める際にも、現在の会社の退職手続きや引き継ぎ期間を考慮しましょう。
退職時は引き継ぎもしっかり行う
退職が決まったら、担当している仕事を整理し、後任者への引き継ぎを進めます。
例えば、
- 担当業務
- 業務の進め方
- 取引先・関係部署
- 現在進行中の案件
- スケジュール
- 注意事項
などを整理しておくとスムーズです。
長く勤めた会社ほど担当業務や人間関係が複雑になっている場合があります。
最後まで丁寧に対応し、できるだけ円満な退職を目指しましょう。
退職後の健康保険を確認する
退職して次の会社へすぐ入社しない場合は、健康保険についても確認が必要です。
退職後の健康保険には、条件を満たした場合の「任意継続」、国民健康保険への加入、家族の健康保険の被扶養者になる方法などがあります。
加入条件や保険料はそれぞれ異なるため、自分の場合はいくらになるのかを確認して比較することが重要です。
特に任意継続には申出期限があるため、退職後に慌てないよう事前に確認しておきましょう。
退職後の年金についても確認する
退職から次の会社への入社まで期間が空く場合は、年金について必要な手続きが発生することがあります。
必要な手続きは年齢や再就職の時期などによって異なります。
特に50代で退職して再就職まで期間が空く場合には、自分がどの年金制度に加入することになるのかを確認しておきましょう。
60代の場合も、年齢や働き方、年金の受給状況などによって条件が異なるため、個別に確認することが大切です。
退職前にお金の計画を立てておく
50代・60代の退職・転職では、仕事だけでなく家計についても考えておきましょう。
確認したいのは、
- 毎月の生活費
- 住宅ローン・家賃
- 社会保険料
- 税金
- 転職活動費
- 貯蓄
- 退職金
- 再就職後の想定年収
などです。
「転職すれば何とかなる」と考えるのではなく、収入が一時的に減少した場合でも生活できるかを確認してから退職時期を決めることが重要です。
50代・60代の転職では求人情報を早めに確認する
転職するかどうか迷っている段階でも、求人情報を確認することはできます。
実際の求人を見ることで、
「自分の経験を活かせる求人はあるのか」
「現在の年収と転職後の年収にどの程度差があるのか」
「企業からどのような経験・スキルが求められているのか」
を把握しやすくなります。
転職することを決めてから求人を探すのではなく、退職を決断する前から転職市場を調べておくことが大切です。
退職・転職準備でよくある失敗
転職先を調べず勢いで退職する
現在の会社への不満だけで退職すると、次の仕事がなかなか決まらない可能性があります。
まず求人情報を確認し、自分の経験が転職市場でどのように評価されるのかを調べておきましょう。
希望条件を高く設定しすぎる
前職の役職や年収だけを基準にすると、応募できる求人が限定される場合があります。
これまでの経験を活かしながらも、仕事内容や働き方を含めて総合的に判断しましょう。
退職後の手続きを確認していない
健康保険や年金など、退職後に必要になる手続きがあります。
退職してから調べるのではなく、会社を辞める前に確認しておくと安心です。
50代・60代の退職・転職は計画的に進めよう
50代・60代で転職を考えるときは、「会社を辞めること」をゴールにしないことが大切です。
本当の目的は、退職後に自分に合った仕事・働き方を見つけることです。
そのためには、
- 転職理由を整理する
- キャリアを棚卸しする
- 希望条件を決める
- 求人情報を調べる
- 応募・面接を進める
- 退職時期を調整する
- 引き継ぎ・退職手続きを行う
という順番を意識して進めましょう。
焦って退職を決めるのではなく、今後の働き方と生活の両方を考えながら準備することが重要です。
