転職を考えていると、
「転職先が決まっていないけれど、今の会社を辞めたい」
「先に退職してから転職活動をしても大丈夫?」
「50代で次の仕事が決まる前に辞めるのは危険?」
このように悩むことがあります。
結論からいうと、転職先が決まる前に退職すること自体は可能ですが、特別な事情がなければ、在職中から転職活動を始める方が経済的なリスクを抑えやすいでしょう。
先に退職すると転職活動に時間を使いやすくなる一方、転職先が決まるまで給与収入がなくなる可能性があります。
特に50代・60代では、
- 住宅ローン
- 生活費
- 教育費
- 老後資金
- 健康保険
- 年金
なども考えて判断する必要があります。
この記事では、転職先が決まる前に退職するメリット・デメリットと、会社を辞める前に確認しておきたいポイントを詳しく解説します。
- 転職先が決まる前に退職しても大丈夫?
- 1.転職活動に時間を使える
- 2.面接日程を調整しやすい
- 3.キャリアを整理する時間を取れる
- 4.資格取得や勉強に時間を使える
- 5.退職しなければ転職活動が難しい事情に対応できる
- 1.給与収入がなくなる
- 2.焦って転職先を決めてしまう可能性がある
- 3.転職活動が長期化する可能性がある
- 4.空白期間が生じる
- 5.健康保険・年金の手続きが必要になる
- 6.失業給付は「退職すればすぐもらえる」とは限らない
- 1.生活費
- 2.転職活動が長引いた場合の資金
- 3.現在の求人状況
- 4.退職金
- 5.失業給付
- 6.健康保険
- 7.年金
- 次の仕事が決まっていなくても会社を辞められますか?
- 退職してから転職活動するのは不利ですか?
- 50代なら転職先を決めてから辞めるべきですか?
- 自己都合退職でも失業給付を受けられますか?
- 退職後の健康保険はどうなりますか?
転職先が決まる前に退職しても大丈夫?
法律上、次の勤務先が決まっていなければ退職できないということはありません。
期間の定めのない雇用契約では、民法上、労働者から退職を申し出ることができます。ただし、実際の退職手続きでは就業規則なども確認して進める必要があります。
問題は、
「辞められるか」ではなく「辞めた後の生活と転職活動に問題がないか」
です。
例えば、退職後3か月で次の仕事が決まる予定だったとしても、実際に3か月で決まる保証はありません。
そのため、退職前に、
- 生活費を何か月分確保できるか
- 転職市場に希望求人があるか
- 現在の経験を活かせる求人があるか
- 希望年収は現実的か
- 退職後の健康保険・年金をどうするか
まで確認しておくことが重要です。
基本的には在職中の転職活動がおすすめ

現在の会社で働きながら転職活動ができるのであれば、先に求人を探し、転職先を決めてから退職する方法がリスクを抑えやすいでしょう。
大きな理由は、給与収入を維持しながら転職先を探せることです。
例えば、
現在の会社
↓
転職活動
↓
内定
↓
条件確認
↓
退職手続き
↓
転職先へ入社
という流れです。
この方法なら、転職活動が予定より長期化しても、すぐに収入が途絶えるリスクを抑えられます。
特に50代で、
「現在と同程度の年収を維持したい」
という場合は、在職中から転職市場を確認しておくことをおすすめします。
転職先が決まる前に退職する5つのメリット
先に退職することにもメリットはあります。
1.転職活動に時間を使える
在職中の転職活動では、
- 求人検索
- 職務経歴書
- 企業研究
- 面接
- 現在の仕事
を同時に進める必要があります。
退職後であれば、平日の日中も転職活動に時間を使いやすくなります。
2.面接日程を調整しやすい
在職中は、
「平日の14時から面接」
などの日程に対応しにくい場合があります。
退職後なら企業の面接日程に合わせやすくなります。
3.キャリアを整理する時間を取れる
長年同じ会社で働いてきた50代では、
「次に何をしたいのかわからない」
というケースもあります。
退職後に、
- これまでの経験
- 得意な仕事
- 今後の働き方
- 希望年収
- 勤務地
- 定年までのキャリア
などを整理する時間を確保できます。
4.資格取得や勉強に時間を使える
次の仕事で必要な資格や知識がある場合、学習時間を確保しやすくなります。
ただし、
「資格を取れば必ず転職できる」
わけではありません。
求人で実際に求められている資格か確認してから学習しましょう。
5.退職しなければ転職活動が難しい事情に対応できる
仕事の拘束時間が長いなど、在職中の転職活動が現実的に難しいケースもあります。
この場合は、生活資金や退職後の手続きを確認したうえで、先に退職することも選択肢になります。
転職先が決まる前に退職する6つのデメリット

ここは退職前に必ず理解しておきましょう。
1.給与収入がなくなる
最も大きなリスクです。
退職すれば、原則として現在の会社からの給与はなくなります。
一方、
- 家賃・住宅ローン
- 食費
- 水道光熱費
- 通信費
- 保険
- 税金
などの支出は続きます。
「3か月で転職する予定」
ではなく、
転職活動が想定より長引いても生活できるか
を考えておく必要があります。
2.焦って転職先を決めてしまう可能性がある
貯蓄が減ってくると、
「早く次を決めなければ」
という焦りが出ることがあります。
その結果、
- 希望と違う仕事
- 年収が大幅に低い
- 通勤が難しい
- 仕事内容が合わない
など、本来なら選ばなかった企業に転職してしまう可能性があります。
転職先を慎重に選ぶためにも、経済的な余裕は重要です。
3.転職活動が長期化する可能性がある
退職すれば転職活動に時間を使えるからといって、すぐ内定が出るとは限りません。
特に、
- 希望年収が高い
- 管理職求人に限定
- 勤務地を限定
- 特定業界のみ
- 未経験職種への転職
など、希望条件によっては対象求人が少なくなる場合があります。
4.空白期間が生じる
退職から次の入社まで期間が空く可能性があります。
空白期間があるだけで不採用になるとは限りませんが、長期化すれば面接で、
「退職後は何をしていましたか?」
と聞かれる可能性があります。
その場合は、
- 転職活動
- 資格取得
- 学習
- 家庭の事情
など、実際に何をしていたのか説明できるようにしておきましょう。
5.健康保険・年金の手続きが必要になる
転職先へすぐ入社しない場合、退職後は健康保険や年金について手続きが必要になることがあります。
健康保険については、退職後、
- 前職の健康保険を任意継続する
- 国民健康保険へ加入する
- 家族の健康保険の被扶養者になる
などの選択肢があります。
全国健康保険協会では、任意継続を希望する場合、退職日の翌日から20日以内に手続きする必要があると案内しています。
また、20歳以上60歳未満で再就職しない場合などには、国民年金への切り替えが必要になるケースがあります。
6.失業給付は「退職すればすぐもらえる」とは限らない
退職後の生活費として失業給付を想定している場合は特に注意しましょう。
雇用保険の基本手当を受給するには、一定の要件を満たす必要があります。
また、自己都合退職の場合は、受給資格決定後の7日間の待期に加え、原則として給付制限があります。
2025年4月以降、自己都合退職の給付制限期間は原則1か月に短縮されていますが、退職状況などによって扱いが異なります。
つまり、
「退職翌月から今までと同じような収入が入る」
と考えないことが重要です。
50代は転職先が決まってから退職した方がいい?

一律に決めることはできませんが、在職中に転職活動が可能なら、先に転職先を探す方法は経済的なリスクを抑えやすいでしょう。
特に、
- 現在の年収を維持したい
- 住宅ローンがある
- 教育費がかかる
- 貯蓄を大きく減らしたくない
- 希望条件が多い
という場合は慎重に判断します。
50代では、現在の給与が長年の勤続や役職によって高くなっている場合もあります。
転職後も同じ給与が維持できるとは限りません。
そのため、
退職する前に自分の市場価値と求人相場を確認する
ことが重要です。
反対に先に退職する選択肢を検討できるケース
在職中の転職活動が常に正解というわけではありません。
例えば、
- 仕事が忙しく転職活動の時間を確保できない
- 家族の介護などで一度仕事を離れる必要がある
- 引っ越しなどで現在の勤務を続けられない
- 十分な生活資金を確保している
- 次に進みたい業界・職種が明確
などの場合は、先に退職する選択肢もあります。
重要なのは、
「今の会社を辞めたいから辞める」だけでなく、「辞めた後どうするか」まで決めること
です。
退職前に最低限確認したい7つのこと
1.生活費
まず毎月いくら必要なのか計算します。
例えば、
- 住宅費
- 食費
- 光熱費
- 通信費
- 保険
- 教育費
- 車
- その他固定費
を確認します。
2.転職活動が長引いた場合の資金
3か月だけではなく、
6か月以上かかった場合でも対応できるか
という視点でも確認しましょう。
必要な金額は家庭によって異なるため、「○か月分あれば絶対安全」という基準はありません。
3.現在の求人状況
会社を辞める前に、実際に求人を検索してみましょう。
確認するのは、
- 希望職種の求人数
- 勤務地
- 年収
- 応募条件
- 必要スキル
などです。
4.退職金
退職金制度がある場合は、
- 支給条件
- 金額
- 支給時期
を確認します。
5.失業給付
自分が受給要件を満たすのか、いつから・どの程度受け取れる可能性があるのか確認します。
最終的な受給資格や給付日数等はハローワークで確認しましょう。
6.健康保険
任意継続・国民健康保険・家族の扶養などを比較します。
保険料も確認しておきましょう。
7.年金
年齢や再就職までの期間によって必要な手続きが異なります。
特に60歳未満で退職し、次の会社へすぐ入らない場合は確認が必要です。
退職前に求人を見るだけでもいい

まだ転職すると決めていなくても、求人を確認することはできます。
むしろ、
退職届を出す前に求人を見る
ことをおすすめします。
例えば、
現在の職種+勤務地
↓
現在の年収に近い求人を検索
↓
応募条件を確認
↓
自分の経験と比較
という順番です。
その結果、
「転職できそう」
となれば転職活動を進めます。
反対に、
「希望条件では求人がほとんどない」
のであれば、退職時期を再検討できます
今の経験を活かせる求人を確認する
リクナビNEXT転職エージェントで市場価値を確認する方法もある
自分だけで求人を見ても、
「自分の経験ならどのくらいの年収になるかわからない」
という場合があります。
その場合は、転職エージェントを利用して求人紹介を受ける方法もあります。
ただし、転職エージェントの意見だけで退職を決めるのではなく、実際の求人や条件を確認して判断しましょう。
転職先が決まる前に退職する場合の流れ
先に退職する場合は、最低限次の流れを意識しておきましょう。
STEP1
生活費・貯蓄を確認する
↓
STEP2
転職市場・求人を確認する
↓
STEP3
退職日を決める
↓
STEP4
会社の就業規則を確認して退職手続きをする
↓
STEP5
必要書類を受け取る
↓
STEP6
健康保険・年金などの手続きをする
↓
STEP7
ハローワークで必要な手続きをする
↓
STEP8
転職活動を進める
退職してから、
「失業給付の手続きを知らなかった」
「健康保険の期限を過ぎてしまった」
とならないよう、事前に確認しておきましょう。
退職時に会社から受け取る書類も確認する

転職先が決まっていない場合は、退職時の書類も重要です。
状況によって必要になる代表的な書類には、
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 年金関係の情報
- 健康保険資格喪失に関する書類
などがあります。
必要な書類は、その後の手続きや転職先の有無などによって異なります。
退職前に会社の担当部署へ確認しておきましょう。
転職先が決まる前の退職についてよくある質問

次の仕事が決まっていなくても会社を辞められますか?
次の勤務先が決まっていないこと自体が、退職できない理由になるわけではありません。
ただし、雇用契約の期間や会社の就業規則などを確認し、適切に退職手続きを進めましょう。
退職してから転職活動するのは不利ですか?
退職後に転職活動をしていることだけで、必ず不利になるとはいえません。
ただし、離職期間が長くなった場合には、その期間について質問される可能性があります。
50代なら転職先を決めてから辞めるべきですか?
在職中に転職活動できるのであれば、給与収入を維持しながら求人を探せるため、経済的なリスクを抑えやすくなります。
特に年収維持を希望する場合は、退職前に求人状況を確認することが重要です。
自己都合退職でも失業給付を受けられますか?
一定の受給要件を満たせば対象になる可能性があります。
ただし、自己都合退職では待期や給付制限がある場合があります。
退職理由によって扱いが異なるケースもあるため、個別の受給資格はハローワークで確認してください。
退職後の健康保険はどうなりますか?
再就職まで期間がある場合は、国民健康保険への加入、前職の健康保険の任意継続、家族の健康保険の被扶養者になるなどの選択肢があります。
条件・保険料を確認して選択しましょう。
まとめ|転職先が決まる前に退職するなら「辞めた後」を先に確認しよう
転職先が決まる前に退職することは可能です。
しかし、
「会社を辞められるか」
と、
「今辞めるのが適切か」
は別問題です。
先に退職すると、
- 転職活動に集中できる
- 面接日程を調整しやすい
- キャリアを整理する時間を確保できる
というメリットがあります。
一方、
- 給与収入がなくなる
- 転職活動が長期化する可能性がある
- 焦って転職先を決める可能性がある
- 健康保険・年金などの手続きが必要
- 失業給付をすぐ受け取れるとは限らない
というデメリットもあります。
そのため、在職中に転職活動ができるのであれば、
求人を確認する → 応募する → 内定・労働条件を確認する → 退職する
という順番は、経済的なリスクを抑えやすい方法です。
特に50代・60代では、退職前に、
「現在と同程度の条件で、実際にどのような求人があるのか」
を確認しておきましょう。
求人を見た結果、
「今は辞めない」と判断することも、立派な転職活動の成果です。

