「60代で再就職したいけれど、何から始めればいい?」
「定年後も働きたいが、どんな仕事を選べばいい?」
「履歴書を書く前に準備することはある?」
60代で再就職を考えたとき、最初に迷いやすいのが何から始めるかです。
結論からいうと、60代の再就職は、
求人を探す
↓
すぐ応募する
ではなく、
働く目的を決める
↓
経験を整理する
↓
希望条件を決める
↓
求人を確認する
↓
応募書類を準備する
という順番で進めるのがおすすめです。
厚生労働省も、概ね60歳以上の求職者を対象とする「生涯現役支援窓口」で、これまでの就労経験、年金受給状況、生活環境などを踏まえ、一人ひとりのニーズに応じた職業相談・職業紹介を行っています。 (厚生労働省)
つまり60代の再就職では、
「どこなら雇ってもらえるか」だけではなく、「これからどう働きたいか」
を最初に整理することが重要です。
この記事では、60代の再就職に向けて準備しておきたいことを7ステップで解説します。
60代の再就職は「働く目的」を決めるところから始める

最初に考えたいのは、
「なぜもう一度働くのか」
です。
例えば、
- 生活費を補いたい
- 年金だけでは不安
- これまでの経験を活かしたい
- 社会とのつながりを持ちたい
- 健康維持のため働きたい
- 週3~4日程度働きたい
- 70歳以降も働きたい
などがあります。
どれが正しいというものではありません。
重要なのは、
働く目的によって選ぶ仕事が変わる
ことです。
例えば、
収入を優先したい
→ 正社員・フルタイムを中心に探す
無理なく長く働きたい
→ 契約社員・パート・短時間勤務も検討
経験を活かしたい
→ 前職と同職種・関連職種を優先
という違いがあります。
60代の再就職に向けた準備7ステップ
STEP1|これまでの経験を書き出す
最初に職歴の棚卸しをします。
例えば、
- 勤務した会社
- 在籍期間
- 職種
- 担当業務
- 役職
- 資格
- 実績
- 管理人数
- 顧客対応
- 新人教育
などを書き出しましょう。
60代では30年、40年と働いてきた人もいます。
そのため、
「会社名だけ」ではなく「何をしてきたか」
を整理することが重要です。
職歴は「できること」に変換する

例えば、
営業30年
だけではなく、
- 法人営業
- 既存顧客管理
- 新規開拓
- クレーム対応
- 営業計画
- 新人育成
まで分解します。
管理職経験なら、
部長10年
ではなく、
- 部下15名の管理
- 人材育成
- 予算管理
- 目標管理
- 採用
- 評価
などです。
60代の再就職では、
年数や肩書きより、現在何ができるか
を整理しましょう。
STEP2|これからの働き方を決める
次に、
どんな働き方をしたいか
を決めます。
例えば、
- 週5日フルタイム
- 週4日
- 週3日
- 午前だけ
- 夜勤可能
- 日勤のみ
などです。
厚生労働省の生涯現役支援窓口でも、「午前だけ働きたい」「これまでのキャリアを活かしたい」「介護と両立したい」など、多様な就業ニーズを想定した支援を行っています。 (厚生労働省)
つまり60代では、
現役時代と同じ働き方を続けなければならない
わけではありません。
STEP3|仕事選びの条件に優先順位をつける
おすすめなのが、
絶対に必要
できれば希望
こだわらない
の3段階に分ける方法です。
例えば、
| 条件 | 優先度 |
|---|---|
| 月収15万円以上 | 絶対必要 |
| 通勤45分以内 | 絶対必要 |
| 日勤のみ | 絶対必要 |
| 週4日 | できれば |
| 経験職 | できれば |
| 正社員 | こだわらない |
| 管理職 | こだわらない |
こうすると求人を判断しやすくなります。
特に60代では、
- 給与
- 通勤
- 体力
- 勤務時間
- 定年
- 契約更新
を確認しておきましょう。
STEP4|まず経験を活かせる求人を探す

60代だからといって、
いきなり「60代歓迎・未経験」の求人だけを見る必要はありません。
例えば、
営業経験者
「法人営業+勤務地」
経理経験者
「経理+勤務地」
製造経験者
「品質管理+勤務地」
など、まず経験職から確認します。
現在の厚生労働省の基本方針でも、高年齢者の多様な就労経験やスキルを踏まえた求人開拓を通じて、能力と希望に応じた再就職を支援する方針が示されています。 (厚生労働省)
経験職が少なければ関連職種まで広げる
例えば、
営業
→ 販売・接客・受付・電話対応
管理職
→ 現場管理・マンション管理・施設管理
製造
→ 検品・軽作業・品質管理
事務
→ 受付・コールセンター・事務補助
という形です。
これなら、
完全未経験ではなく、過去の能力を一部使える転職
になります。
STEP5|求人を探す場所を複数持つ
60代の再就職は、一つの求人サービスだけに限定しない方がよいでしょう。
例えば、
- ハローワーク
- 求人サイト
- 企業採用ページ
- 人材紹介サービス
- シルバー人材センター
などがあります。
特に60代なら、ハローワークの生涯現役支援窓口を利用できます。
厚生労働省は全国300か所の主要ハローワークに生涯現役支援窓口を設置しており、概ね60歳以上が対象です。在職中でも利用できます。 (厚生労働省)
利用できる支援には、
- 職業相談
- 職業紹介
- シニア求人検索
- 職場見学
- 面接会
- セミナー
- 職業訓練案内
などがあります。 (厚生労働省)
STEP6|履歴書・職務経歴書を準備する

応募したい求人が見えてきたら、履歴書・職務経歴書を作ります。
60代では、
40年間の経歴を全部詳しく書く
必要はありません。
職務経歴書では、
応募先で活かせる経験を優先
します。
例えば、
弱い書き方
「営業部長として10年間勤務」
改善例
「営業部長として15名を管理し、営業計画、進捗管理、新規顧客開拓、人材育成を担当」
のようにします。
60代の志望動機は「働きたい」だけで終わらせない
例えば、
弱い例
「定年後も働きたいと思い応募しました。」
だけでは弱いでしょう。
改善例
「これまで製造業で30年以上勤務し、品質管理や人材育成を経験してきました。貴社の求人では品質確認と新人指導に携われると拝見し、これまでの経験を活かせると考えて応募しました。」
経験
+
応募理由
+
入社後の貢献
をつなげます。
STEP7|面接で聞かれることを準備する

60代では、
- 自己紹介
- 再就職したい理由
- 退職理由
- 志望動機
- 活かせる経験
- 管理職でなくてもよいか
- 年下の上司でも問題ないか
- 何歳まで働きたいか
- 希望する勤務時間
- 希望年収
などを整理しておきましょう。
一字一句暗記する必要はありません。
結論
↓
具体例
↓
応募先での活かし方
だけ整理しておくと答えやすくなります。
60代の再就職では「体力」も条件に入れる
これは非常に重要です。
例えば、
- 清掃
- 警備
- 軽作業
- 介護
- 製造
- 配送
などは60代でも求人が見つかることがあります。
ただし、
採用されることと、長く続けられることは別
です。
求人票では、
- 立ち仕事
- 重量物
- 夜勤
- 屋外勤務
- 階段移動
- 運転時間
なども確認しましょう。
「何歳まで働きたいか」を考える
例えば、
60歳
→ 65歳まで働きたい
63歳
→ 70歳くらいまで働きたい
では選ぶ会社も違います。
確認したいのは、
- 定年
- 再雇用制度
- 契約更新
- 70歳以降の勤務
です。
2026年度からの国の基本方針でも、70歳までの就業確保措置のさらなる拡大が政策課題として掲げられています。 (厚生労働省)
収入は「希望額」と「最低額」を決める
例えば、
希望:月20万円
最低:月15万円
というように決めます。
これなら、
月17万円の求人があったときに、
「希望より低いから即除外」
ではなく、
仕事内容・通勤・勤務日数と比較できます。
定年後は、
給与額だけで仕事を決めない
ことも重要です。
正社員だけに限定しない
60代でも正社員を目指すことは可能です。
ただし、
正社員=必ず最適な働き方
とは限りません。
例えば、
A社
正社員
週5日
通勤90分
B社
契約社員
週4日
通勤20分
なら、B社の方が長く続けやすい人もいます。
仕事内容・収入・勤務時間・通勤・何歳まで働けるかで判断しましょう。
退職前なら在職中から準備する

まだ会社を辞めていないなら、
退職してから再就職を考える必要はありません。
厚生労働省の生涯現役支援窓口も、概ね60歳以上であれば在職中から利用できます。 (厚生労働省)
そのため、
在職中
↓
経験整理
↓
求人確認
↓
応募
↓
次の仕事を決める
↓
退職
という進め方もできます。
収入が途切れるリスクを抑えたい場合は、在職中から始める価値があります。
退職後なら健康保険・年金も確認する
すでに退職している場合は、再就職活動だけでなく、
- 健康保険
- 年金
- 雇用保険
- 税金
の手続きも確認しましょう。
特に60歳未満で厚生年金から外れ、すぐ再就職しない場合は、国民年金への切り替えが必要になるケースがあります。
再就職準備で資格取得から始める必要はない
「60代だから何か資格が必要なのでは?」
と考える人もいます。
しかし、先に資格を取るより、
求人を見る
↓
必要資格を確認する
↓
必要なら取得する
という順番がおすすめです。
例えば求人に、
資格不問・未経験歓迎
と書いているなら、資格を取るまで応募を待つ必要はありません。
60代の再就職準備で避けたい7つの失敗
1.退職してから初めて求人を見る
できれば在職中から確認しましょう。
2.「60代歓迎」だけで仕事を選ぶ
経験職も確認します。
3.前職と同じ年収にこだわりすぎる
市場相場を確認します。
4.正社員だけを見る
契約社員・パートも比較します。
5.体力を考えない
仕事内容を具体的に確認しましょう。
6.昔の肩書きだけをアピールする
現在できることへ変換します。
7.一つの求人経路しか使わない
求人の入口を増やしましょう。
60代の再就職準備チェックリスト
まず次を確認してみてください。
- □ なぜ働きたいのか決めた
- □ 何歳まで働きたいか考えた
- □ 職歴を書き出した
- □ 活かせる経験を3つ整理した
- □ 希望月収を決めた
- □ 最低必要収入を決めた
- □ 週何日働くか考えた
- □ 通勤時間の上限を決めた
- □ 体力的に避けたい仕事を決めた
- □ 経験職の求人を確認した
- □ 関連職種も調べた
- □ ハローワークを確認した
- □ 求人サイトを確認した
- □ 履歴書を作成した
- □ 職務経歴書を作成した
- □ 面接回答を準備した
すべてを一日でやる必要はありません。
順番に進めていけば大丈夫です。
再就職準備の最初の1週間でやること
何から始めればよいか分からない場合は、次のように進められます。
1日目
働く目的を整理する
2日目
職歴・経験を書き出す
3日目
希望条件を決める
4日目
経験職の求人を20件程度見る
5日目
求人サービス・ハローワークを確認する
6日目
履歴書・職務経歴書の基本版を作る
7日目
応募候補を3~5件選ぶ
これは公的な基準ではなく、再就職活動を動かすための実務的な進め方です。
生涯現役支援窓口を利用する方法もある
「自分にはどんな仕事が合うか分からない」
という場合は、ハローワークの生涯現役支援窓口も利用できます。
全国300か所の主要ハローワークに設置され、概ね60歳以上の求職者を対象に無料で支援しています。 (厚生労働省)
厚生労働省によると、
- これまでの就労経験
- 年金の受給状況
- 現在の生活環境
などを踏まえて職業相談・職業紹介を実施し、必要に応じて職場見学、面接会、セミナー、職業訓練も案内しています。 (厚生労働省)
また、シニア採用に意欲的な企業の求人情報も提供しています。 (高齢者雇用情報サイト)
60代の再就職準備についてよくある質問
60代の再就職は何から始めればいい?
まず「なぜ働くのか」とこれまでの経験を整理しましょう。
その後、希望条件を決め、経験を活かせる求人から確認する方法がおすすめです。
60代で仕事は見つかりますか?
2024年の就業率は60~64歳で74.3%、65~69歳で53.6%です。多くの60代が働いていますが、求人状況は職種・地域・条件によって異なります。 (厚生労働省)
退職前から仕事を探していい?
問題ありません。
生涯現役支援窓口も在職中の概ね60歳以上が利用できます。 (厚生労働省)
60代はハローワークを使った方がいい?
利用価値があります。
全国300か所の主要ハローワークに生涯現役支援窓口があり、60代向けの職業相談や職業紹介を行っています。 (厚生労働省)
正社員を目指してもいい?
目指せます。
ただし、契約社員・パートなども含め、収入、勤務時間、通勤、何歳まで働けるかを比較しましょう。
未経験職でも大丈夫?
未経験求人はあります。
ただし、完全未経験だけではなく、これまでの経験を一部使える関連職種も探すと選択肢を広げやすくなります。
まとめ|60代の再就職は「求人応募」より先に準備を整えよう

60代の再就職に向けた準備は、次の7ステップで進めると整理しやすくなります。
- 働く目的を決める
- これまでの経験を整理する
- 希望条件に優先順位をつける
- 経験を活かせる求人を確認する
- 求人を探す方法を複数持つ
- 履歴書・職務経歴書を準備する
- 面接回答を準備する
2024年には60~64歳の74.3%、65~69歳の53.6%が就業しており、高年齢者の労働市場への参加は10年前より大きく進んでいます。 (厚生労働省)
一方、国も高年齢者の再就職について、単に求人を紹介するのではなく、多様な経験・スキル・生活環境・希望を踏まえたマッチングを重視しています。 (厚生労働省)
そのため、
「60代だから何でもいい」
と仕事を選ばないことが重要です。
まず、
これまで何をしてきたか
↓
今何ができるか
↓
これからどんな働き方をしたいか
↓
その条件に合う仕事は何か
を順番に整理しましょう。
そして、
経験職
↓
関連職種
↓
未経験職
の順に求人を広げます。
60代の再就職で大切なのは、採用されることだけではありません。
自分の経験や生活に合い、無理なく長く続けられる仕事を見つけることです。

